第12章 期末テスト
分身たちの動きは予想以上だった。
数だけでなく、的確に包囲しようと間合いを詰めてくる。
瀬「こっち来るぞ、繋原!」
「っ…!」
瀬呂が即座にテープで数体の動きを止め、は咄嗟に地面を分解、視界を遮るよう瓦礫を舞い上げる。
だが――
エ「甘い」
瓦礫の隙間から、分身体が一体――
音もなく、の背後を取っていた。
「――っ!」
(しまった――!)
しかしその時――
ビッ――!
瀬呂のテープが勢いよく伸び、分身体を弾き飛ばした。
瀬「お前、後ろ!」
「っ…ありがと!」
分身体は消え、瀬呂はにっと笑った。
瀬「カバーは任せろ!お前は前、任せた!」
「……うん!」
呼吸を整え、は走り出した。
(大丈夫――1人じゃない)
最初に感じていた不安は、仲間の存在で少しずつ薄らいでいった。
2人は、互いにカバーし合いながら、エクトプラズムの分身の群れに飛び込んでいった――。
エ「なかなかいい連携だ」
エクトプラズムの本体が低く呟いた。
だがその声音に焦りはない。
分身体は次々と現れ、瀬呂とに襲いかかる。
瀬「っ…!数、減らねぇな…!」
(このままじゃジリ貧…どこかで…!)
は周囲を見渡した。
(そうだ――)
「瀬呂くん!」
瀬「おう、なんだ!」
「囮になってほしい!私、分身体をまとめて潰す!」
瀬「はぁ!?マジかよ!?」
「いける!信じて!」
瀬呂は一瞬だけ目を見開いたが――
すぐにニッと笑った。
瀬「わーった!任せたぜ、繋原!」
瀬呂が駆け出し、分身体の群れを引きつける。
その背中には手を伸ばし、地面を分解、さらにその破片を再構築して投げ込む。
狙ったのは――
(“本体の影”!)
爆発的に跳ね上がる破片の雨。
その中から、1体だけ――動かずにいた分身体が、微かに体勢を崩した。