第11章 職場体験
その日の夕方
の病室にデク、飯田、轟の3人がやってきた。
相澤は入院が少し長引くのため、着替えなどを取りに出ていた。
緑「繋原さん…」
「3人とも無事だったんだね」
轟「…こっちのセリフだ」
すると腕に包帯を巻いている飯田が、勢いよく頭を下げた。
飯「申し訳なかった。俺が、勝手に行動したばかりに…君にそんな傷を負わせてしまった…女子であるというのに…」
は少し笑った。
「顔上げて飯田くん」
飯田はその言葉に従った。
「大した傷じゃない」
飯「あぁ…」
緑「繋原さん!」
轟「お前何言って…刀で貫かれたんだぞ!?」
「体育祭で見たでしょ?私の腕」
3人は黙った。
「あれ、別に腕だけじゃないの。体中に同じようなのがたくさんあるの」
飯田の瞳は揺れ、デクは唇を噛み、轟は眉を寄せた。
「だから、傷が一つ増えたところで、別になんとも思わない。それに…」
飯「…」
「それにこの傷は他のものとは違う。私は名誉の負傷だと思ってる。強がりとかで言ってるんじゃないよ」
は真っ直ぐな目で飯田を射抜いた。
「私は傷を見るたび、過去を思い出して…自分の弱さに負けて、胸が押し潰されそうな気持ちになってた。でもきっとこれからは…」
飯田も目を逸さなかった。
彼女の言葉を傾聴すること、それが今自分にできる唯一のことだと思ったから。
「この傷を見るたび、私は守れた人がいる、私は無意味じゃないって、そう思うことができる。感謝したいくらいだよ、ありがとう、飯田くん」
言い終えると、デクと飯田は、泣いていた。
飯「くっ…俺はっ…俺はっ…!!」
飯田は拳を震わせていた。
そして願い、己に固く誓った。
"強くなりたい"
"強くなろう"