第11章 職場体験
部屋に入ってきたのは犬の頭部をした、面構犬嗣だった。
「しょ、署長……!?」
は立ち上がろうとすると、すかさず相澤が支える。
犬「あぁ、掛けたままで結構だワン」
(ワン…!?)
相「なんとなく話の内容は察しがつきますが、病み上がりですんで、なるべく手短にお願いします」
犬「了解だワン。君もヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒だワンね?」
「…はい」
犬「逮捕したヒーロー殺しだが、火傷に骨折となかなか重症で、現在厳戒態勢の下、治療中だワン」
「あぁ…」
犬「超常黎明期、警察は統率と規格を重要視し、"個性"を"武"に用いないこととした。そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職業だワン」
「…」
犬「個人の武力行使…簡単に人を殺められる力。本来なら糾弾されて然るべきこれらが、公に認められてるのは先人たちがモラルやルールをしっかり遵守してきたからなんだワン。資格未取得者が保護管理者の指示なく、個性で危害を加えたこと。たとえ相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン」
(…分かってはいた。そんなルールは雄英生でなくとも知っている。でもどうしても…あのまま見過ごすことはできなかった…)
は唇を噛んだ。
犬「君たち4人、及びプロヒーロー、エンデヴァー、マニュアル、グラントリノ、そしてエッジショット。この8名には厳正な処分が下されなければならない」
(エッジショットさんまで…)
犬「結果オーライであれば規則が有耶無耶でいいわけではない」
「…分かってます」
犬(さっきの半々の男の子と違って随分と物分かりがいい子だワン…)
犬「以上が警察としての公式見解。で、処分云々はあくまで公表すればの話だワン」
は顔を上げた。
「え…?」