第11章 職場体験
しばらくしてもの様子は変わらず、エッジショットも自分の仕事があるため、病院を出て行った。
相澤は丸2日、ろくに眠りもしないまま、ただひたすらを見ていた。
翌日、医師がカルテを手に相澤の元へやってきた。
医師「容態が安定しましたので、これからはICUではなく、一般病棟で経過を見ます」
相「……分かりました」
ストレッチャーに乗せられたが、静かに個室へと運ばれていく。
医師「看護師から聞きましたよ。寝ずに付き添っていたようですね」
相「……私が彼女の保護者なので」
医師「…体育祭見ましたよ。つらい過去があったのでしょうが、あなたのような人がそばにいるなら、彼女は今、きっと幸せです」
相「少しでも、そう思っててくれたらいいんですけどね……。…心や気持ちというのは分からない。難しいところです」
医師「そうですね。医者も体内や心臓を見ることができても、心は見えませんからね」
相「…」
医師「ですが、少なからず貴方やクラスメイトのことは大切に思っているのではないでしょうか」
相澤は顔を上げた。
医師「ぐしゃぐしゃになってしまっていましたが、これがポケットに入ってました」
そう言って医師が見せたのは、入学式の時の集合写真であった。
相「…!!」
医師「あなたの思いは、届いてると思いますよ。ですからあなたも少し休んでください。いざという時あなたがいなかったら、あの子はきっと悲しむ。では」
医師はその場を後にした。
相(あいつってやつは…)
相澤は渡された写真を握りしめ、の病棟に向かった。
カーテン越しに差し込む朝の光。
柔らかいベッドの上、
白いシーツに包まれた小さな身体が静かに横たわっていた。
相(寝ようにも心配で寝れねぇんだよ…このまま寝ても睡眠の質は悪い。合理性に欠くよ)
相澤はベッド横の椅子に腰掛けていた。
するとそのとき――
――ピクリ。
の瞼が、ほんのわずかに、震えた。