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例外のヒーロー【ヒロアカ】

第11章 職場体験


翌日もは集中治療室からは出られなかった。
そして未だ目を覚ましていない。
消毒液と機械音だけが漂う、冷たく乾いた空気。

ガラス越しに見えるは、何も変わらず、ただ静かに眠り続けている。
胸が上下していることだけが、彼女が“まだここにいる”証だった。

夜になり、エッジショットは再び様子を見に来た。

するとそのガラスの前、長椅子に一人座る相澤。
腕も組まず、背もたれにも寄りかからず、前かがみのまま、微動だにしない。

その姿は、昨日と同じだった。
一晩中、いや、が運ばれたあの夜からずっと、ここにいたのではないか――
そう思わせるほどに、まるで風景の一部のように。

エ「……まさか」

驚いて呟くと、そんな空気を切るように、後ろから近づいた。

エ「……まだいたのか」

エッジショットがそう言った時、
相澤は振り返らずに、ただわずかに目を細めただけだった。

そして、ぽつりと呟くように。

相「……目覚めた時、もし誰もいなかったら……」

静かに落とされたその声は、まるで自分自身に向けているようだった。

相「……あいつは多分……また、過去に引きずられる」

途切れた声が、空気に吸い込まれる。

エッジショットはしばらく黙って相澤を見ていたが、
やがて、ふっと小さく息を吐いた。

エ(……イレイザー)

何か言いかけて、けれど言葉にはしない。

エ(……気づいてんのか、お前)

少しだけ肩を落とし、目を伏せる。

エ(……まぁ、俺が口出すことじゃないか)

最後に、ほんのわずかに口角を上げて、

エ(まったく……)

静かに相澤の隣に腰を下ろした。

言葉はなかった。
けれど、二人の間に流れる空気は、昨日とはどこか違っていた。
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