第11章 職場体験
ステインは舌を鳴らし、地面を蹴って再び間合いを詰めてくる。
ス「――覚悟のない者が、“信念”を語るな」
「……なら、見せてあげるよ」
は、小さく息を吐いた。
そして次の瞬間――
轟「はやいっ――!!」
轟が思わず声を漏らすほどの速度で、の姿が掻き消えた。
まるで、視界を置き去りにするように。
ステインは目を見開いたが、反応が一瞬、遅れる。
ス「……ッ!」
ズドン!!
一撃、ステインのわき腹に拳がめり込んだ。
ステインの持つナイフが頬をかすったが、その瞬間には、ナイフに着いた血も、流れる血も即座に“分解”し、傷を残さぬよう処理する。
ステインが体勢を崩す。その隙にさらにもう一撃、拳を叩き込む。
ス「ッぐ……!」
それでも、ステインは引かない。ナイフを抜き、反撃の構えに入る。
ス「この女……一発一発が重い……!」
轟がその攻防を凝視する中、デクがかすれ声を上げた。
緑「自分の……血を……戦いながら、分解してる……!」
戦場の中心で、の息が少しずつ荒くなっていく。
額に汗が浮かび、目の焦点も揺らぎ始めていた。
それでも――足を止めなかった。
ス「お前……何を思って戦っている」
ステインが問う。
その刹那、は歯を食いしばりながら、前へ出る。
「“生きたい”って願いを抱えて……」
その拳が、再びステインを襲う。
「……私は、戦ってる!」
鋭い音が響いた。ステインの肩口に衝撃が走り、壁に叩きつけられる。
それでも――
ステインは笑った。
ス「いい目だ……“偽り”のない怒り。だが……それでも、俺は譲れん」
ステインもまた、ゆっくりと立ち上がる。
互いに、限界が近づいていた。
睨み合うその間、飯田が微かに口を開いた。
飯「繋原……くん……」
彼の声に、がほんの一瞬だけ振り返る。
その瞳には、決して折れない意志が宿っていた。
――まだ、戦いは終わらない。