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例外のヒーロー【ヒロアカ】

第11章 職場体験


轟side

血の匂いが、夜の路地に濃く満ちていた。

ステインの瞳は、獣のように鋭く光っている。

轟は、倒れ込んだ飯田と、必死に身を起こそうとするデクをかばうように、ステインと向き合っていた。

ス「……素人の正義感が、群れれば通じると思ったか」

その声は、獲物をいたぶるように冷たい。

轟は、肩で息をしながらも、地面を氷で凍らせ、ステインとの間合いを詰めさせまいと構えていた。

轟(まずい……)

ステインの動きは、冷静に分析しても、速すぎる。
加えて、傷ついた飯田とデクを庇う形になっている自分では、まともに動けない。

緑「轟くん……」

デクが苦しげに声をかける。

轟「喋るな……下がってろ」

デクも飯田も、血だらけだ。
特に飯田の傷は深く、呼吸も荒い。

ステインが、じり、と一歩踏み出した。

轟(っ……間に合わないか)

焦りと共に、
“間に合わない”という予感が、胸を冷たく貫いた。

轟が氷の壁を作る。

しかしあっという間に粉々にされてしまう。

轟「……!」

ス「己より素早い相手に対し、自ら視界を遮る。愚策だ」

轟「それはどうかな…!」

轟が炎で対応しようとするも、腕にナイフを2本同時に刺されてしまった。

轟「っ…!!」

ス「信念もなく……自己満足でヒーローを名乗る者どもが、正義を汚す」

声と同時に、ステインの身体が、空気を切り裂いた。

轟「っ……!」

全身に力を込め、凍らせようとする――

――だが、それでも、届かない。

僅かに、ステインの刃が轟の目前に迫る。

その時だった。
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