第11章 職場体験
夕方――。
合同で動く事務所に顔を出したあと、柔らかなオレンジ色の光が街を染めるころ、とエッジショットは、ある繁華街の一角にいた。
周囲は人通りも多く、活気に満ちている。
エッジショットは通りの角に立ち、静かに街の様子を見渡していた。
エ「……しばらくは、ここで巡回する」
「はい」
昼間の張り詰めた訓練とは違い、パトロール中のエッジショットは、まるで街の一部のように馴染んでいた。
その姿に、は改めて“プロヒーロー”としての在り方を感じていた。
ふと、遠くに見えた商店街のアーケード。
見覚えのある名前が、看板に書かれているのが目に入った。
(……このあたり、本当に保須のすぐ近くだ)
偶然――そう思いたかった。
けれど、胸の奥のざわめきは、次第に強くなっていく。
(もしかして、どこかですれ違ってたり……)
思わず周囲を見回す。
けれど、見覚えのある顔はどこにもない。
エ「……何か気になるのか」
ふいにかけられた言葉に、は一瞬肩を跳ねさせた。
「……いえ、何でもありません」
エッジショットはそれ以上は何も言わず、前を向いたまま歩き出した。
エ「……まだ日は落ちてない。だが、夜の顔は変わる。気を抜くな」
その言葉に、は静かに頷き、エッジショットの後を追った。
――けれど、
その胸の奥で、妙な胸騒ぎが消えることはなかった。