第11章 職場体験
職場体験初日。
慣れない一日はあっという間に終わり、冷たい夜風が吹き抜ける倉庫街。
人気のない路地裏に、エッジショットとが向かい合っていた。
エ「――今夜は“察知”と“間合い”の訓練だ」
その声は静かだが、微かに張り詰めたものを帯びていた。
エ「お前の個性は、攻撃にも防御にも応用が利く。だが、その分“動きすぎれば”隙ができる」
「……はい」
エッジショットは一歩、滑るように動いた。
エ「俺の動きを“感じろ”。目で追うな」
瞬間、姿が消える。
は全身の神経を研ぎ澄ました。
――右後方。
エッジショットの気配が一瞬浮かび、はすかさず地面の舗装を“分解”。
舞い上がる砂塵とともに、体を低くして背後を振り向いた。
だが――
エ「甘い」
頭上からの気配。
咄嗟に両腕を交差させると、手首に冷たい感触が触れる。
目の前に、エッジショット。
そのまま、彼はふっと姿を消した。
エ「反応は良い」
低い声が耳に届く。
エ「だが、感じられたら、考えろ」
は、深く息をついた。
「……一歩、引くべきでした」
エ「そうだ。常に“攻める”だけでは、相手に読まれる。……俺が気配を絶っても、街の喧騒や空気の流れは消せない」
その言葉と同時に、ふわりとエッジショットが隣に立った。
は、その動きに目を見開く。
「……っ」
エ「今度は、仕掛けてこい」
そう言って、エッジショットは背を向けた。
その背中を見つめ、は小さく拳を握る。
(……やるしかない)
呼吸を整え、一歩踏み出した。
夜の街で、静かに彼女の訓練は続いた――。