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例外のヒーロー【ヒロアカ】

第11章 職場体験


そして飯田の口からは何も語られぬまま、職場体験の日を迎えた。

皆不安や期待に胸を膨らませる中、は飯田を見つめていた。
そんな飯田はどうやらデクにも少し心配されているようで。

緑「飯田くん、本当にどうしようもなくなったら言ってね…友達だろ」

飯「……あぁ」

飯田はそれだけ言うと、みんなに背を向けた。

(多分あれは言わないな…私もどうにかしてあげたいけど…)

デクはのちに、この時もっと強く言葉をかけるべきだったと、後悔することになる。




はエッジショットの事務所に来ていた。
静まり返ったプロヒーロー事務所の一室。
真新しい木目の床に、研ぎ澄まされたような空気が流れている。

は緊張で背筋を伸ばし、扉の前に立っていた。

コン、とノックをすると、すぐに低く落ち着いた声が返る。

エ「入れ」

「失礼します」

扉を開けると、そこに立っていたのは、漆黒の忍装束に身を包んだ男――エッジショット。
銀色の目が、ひと目でを捉える。

エ「お前が……繋原だな」

「はい。今日から職場体験でお世話になります。繋原です」

エッジショットは一歩、静かに前へ出る。
その動きは音もなく、まるで影が滑るようだった。

エ「……体育祭を見た。“分解・修復”の個性か」

「は、はい」

エ「イレイザー・ヘッドから俺を勧めたと聞かされた」

エッジショットは短く言うと、微かに目を細めた。

エ「…表に出るだけが戦いではない。お前の力は、表と裏、両方で活きる」

は思わず息を呑んだ。

エ「今日から数日、俺の動きを見て学べ。動きに迷ったら、一拍置いて考えろ」

「……はい」

エ「一拍置く。それが冷静さを保つ術だ」

銀色の瞳が、まっすぐを見ている。
威圧ではない。ただ、真剣に“見極めている”ような視線。

は、自然と背筋を伸ばし、静かに頷いた。

エッジショットは、その反応を見て、わずかに口角を上げる。

エ「……いい目をしている。始めるぞ」

その瞬間、ふっと空気が張りつめ、は心の奥がわずかに震えるのを感じた。

だが同時に、どこか静かに、胸の奥に火が灯るような、そんな感覚があった。
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