第1章 買う
「ぷは、」
少年が雄から口を離し、
手についた2度目の精液を舐めとっている。
2回目だと言うのに、出した量は多くて、
少年の手にべっとりと付いていた。
「…おまえ、名前は?」
「………えっと…R……。」
「源氏名じゃなくて。本名。」
オレさまがそう言うと、
少年はぐっと押し黙った。
「………。」
「おい。」
黙っている少年に
足を向け、膝をごりごりと押す。
このままだと蹴るぞ。
それを察してか、
少年が下からオレさまを見上げた。
「……。レイ、です。」
「本名だろうな?」
「はい。…店の名前とは違います。」
スマホを押して先程のHPを見る。
下に少しスクロールすると
少年の顔が映っていた。
…名前は確かに違う。
それに、
「なんだよ。おまえ人気ねえな。」
No.1の男から見ると
少年はだいぶ下にいる。
フェラ、結構良かったから意外だ。
少年が口をむっと結んだ。
「店は副業ですから。」
「じゃあ、普段は昼の仕事とか?」
「いえ……。」
少年がカバンから、1枚の名刺を取り出した。
「本業は援交です。」
名刺には携帯番号と…
裏にオプションと料金の一覧が載っている。
「こちらにご連絡いただければ、
本日よりお安い値段で提供できます。」
「へぇ…。」
名刺を受け取って、
オプションに目を通す。
首輪…女装…SM…乱交…
背中NG…?
「なんだこの背中NG、は。」
「上半身は…お見せできません。
特に背中はサービス外です。」
「なんじゃそりゃ。」
「申し訳ございません。
それ以外のオプションでしたら
基本的に対応いたします。」
料金表から目を離し、表面に戻した。
店とは違う名前だ。
やっぱり本名かもな。
携帯番号も…直通、と書かれている。