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キバナさん 男娼を買う

第7章 溺れる









 「お前の主人はオレさまだ。」

 「僕の主人は、キバナ…さま。」
 


 「オレさまの言うことだけを聞け。」

 「キバナさまの…言うこと、だけ、聞け。」

 

 「オレさまには絶対に逆らうな。」

 「キバナさまには、絶対、さからうな。」

 

 「他の奴らは、無視しろ。」

 「ほかの、やつらは、無視しろ。」

 

 「信じられるのは、オレさまだけ。」

 「しんじ、られるのは、キバナさま、だけ。」


 「オレさまだけを見ろ。
  オレさまに従え。」

 「キバナさまだけを、見ろ。
  キバナさまに、したがえ。」

 
 「…オレさまの命令は絶対だ。」

 「キバナさまの、命令は、絶対、だ。」

 

 「そうだ…いい子だ。レイ。
  ちゃんと覚えとけ。」

 復唱すると、キバナさまがにやりと笑った。
 月の光に照らされたキバナさまは嬉しそうだ。
 
 僕が上手く言えたら、キバナさまが喜んでくれる。
 
 もっと上手く言わなきゃ。

 覚えなきゃ。

 「覚えたら、お前の大好きなモノを
  もう1回飲ませてやるよ。」

 「はい。」

 「じゃ、最初からな。」

 
 僕は、キバナさまのモノ。
 
 キバナさまだけを見ろ、
 キバナさまに従う、
 キバナさまには逆らわない…。


 「キバナさまの命令は…ぜったい、です。」

 「スラスラ言えるまでやるぞ。
  もう一度だ。」

 「僕の主人は、キバナさま。
  キバナさまの言うことだけを聞け。
  キバナさまには、逆らうな。………」

 
 ぼくは、どんどん、キバナさまに溺れていく。

 
 

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