第7章 溺れる
「大人しくしてろよ。」
「はい。」
「逃げたら痣増えるぜ。」
「はい。」
僕が頷くと、満足したらしい。
キバナさまが僕の手が届かないところに、
リードの先を繋げた。
リードは最大5mくらいあるから
寝室の中を自由に動けるが、
部屋からは出られない。
ちなみに、トイレもこの部屋に併設されている。
計算されているのかいないのか…。
キバナさまの外出時と、寝る時は
必ず繋げられる。
別に逃げる気はないのだが、
キバナさまはこのリードを外す気はないらしい。
「昼飯用意してあるから。」
「はい。」
「あと痛み止めもな。ちゃんと飲めよ。」
「はい。」
骨はまだくっついていなくて、
腕のギプスはまだ外せそうにない。
最近モーモーミルクが
食卓に出されるようになった。
カルシウムで、はやく治したいのだろうか。
「じゃあな。」
「いってらっしゃいませ。」
僕がそう言うと、
キバナさまが寝室を出て、
がちゃり、と鍵を閉める音がした。
リードを繋がれ、部屋の鍵も閉められる。
監禁、だ。
今日も僕は、キバナさまに飼われている。