第5章 救う
「………親か?」
「……………。」
少年は否定も肯定もしない。
オレさまの疑念は、当たっていたらしい。
「僕が、稼いでこないから…。
当然の報いです。」
「このままじゃ、全然借金の返済に追いつかない。
もっと頑張らなきゃいけないのに。」
「ぼくは、言われた金額を稼いで来れない、
役立たずなんです…。」
「おい。」
「僕が、ぼくが、言われたことも守れない、
できない、子だから…。」
少年は黙って肩を震わせている。
少年の顔は、恐怖と絶望に歪んでいた。
虐待、その言葉が浮かぶ。
必死にオレさまに身体捧げてたのも、
金を多めに受け取って喜んでたのも、
全部親のためだ。
殴られないように、
襲われないように、するためだ。