第4章 探す
ソファーにもう一度身体を沈めて、
酒をもう一杯飲む。
「チッ…イライラする…。」
がん、とテーブルを蹴ってみるものの、
気は晴れない。
せっかくいい気分だったのに、台無しだ。
「何もなければいいけどよ…。」
スマホには少年の電話番号が載っている。
いつの間にか着信履歴の1番上に躍り出ていた。
「………ああ、ったく。」
いつもつけてくる体の傷のことも、
今日の電話の相手のことも気になる。
調べたいけど、後をつける訳にはいかないし…。
ふと時計を見ると、
とっくに日付が変わっていた。
明日はジムトレーナーを鍛えてやって、
それから、手持ち調整して……。
「……はぁ。」
まあいいか。とりあえず、
日々の生活のことを考えよう。
ヤツを呼ぶためにも、多少は稼いどかなきゃな。