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キバナさん 男娼を買う

第1章 買う




「……ひゃぁ……あっ!」

 
 部屋にじゅる、じゅる、と
 お互いの液体が混ざる音が響き、
 それに合わせて女の喘ぎ声が木霊する。
 自分の下で組み敷いている女が
 快感で体をよじった。

「もっと鳴けよ……ほら!」

 腰を強く掴んで律動してやると、
 さらに高い声を出す。

 「奥、ばっか…だめぇ!」

 「は、オレさまのがそんなに気持ちいいか?」

 「いい!きもちいい!キバナさまぁ!」

 その言葉にむらむらと気分が高揚していく
 もっと激しくしてやろうか。

 「おまえだけ良くなってんじゃねえぞ…
  もっと締めやがれ!」

 ばん、と女の尻を叩くと、
 淫乱な壺がきゅっと締まる。
 最初からこうしろよ。

 「ぁ!ひぁ、キバナさまぁ!」

 女は涙目でオレさまを見上げている。
 体にはいくつか傷跡があり、
 首には大きな首輪がつけられていた。

 すべて、オレさまがつけたものだ。


 「ぁあ……っ!あん!」

 そんな屈辱的な状況であるにも関わらず、
 この女は腰を反らしてよがっている。
 シーツは血で少し汚れていた。
 
 この女はただの物であり、
 オレさまの性欲処理の道具。
 だから、オレさまの
 好きなように抱いたって、
 誰も文句は言わない。

 「あぁ!キバナさま!…イク!イクぅ!!」

 そのまま、女の体にぎゅっと力が入る。
 体は縮こませているのに、
 浅くて広いだけの蜜壷が、
 少しうねっただけだった。
 …………嘘が下手な女。

 「演技下手すぎねえか?」

 「ぁ!ちがう!ちがうのぉ!
 本当にイってるからぁ!」

 無駄に喘いでいる女に嫌気がさす。
 違う違うと女は騒ぐ。
 図星をつかれると人間言い訳をするものだ。

 喘ぎ声も、イクのも、
 よがって体をくねらせるのも、
 どれもこれも、偽物だ。
 オレさまを誘惑させるものに過ぎない。


 …興ざめだ。

 
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