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キバナさん 男娼を買う

第10章 露見









 「………よし。」

 床に掃除機をかけていく。
 毎日やってるから綺麗なんだけど、
 その上から水拭きをすると、
 もっと綺麗になる。

 一日で全部水拭きはできないけど、
 毎日少しずつやれば2週間で全部屋できる。
 綺麗な部屋にいられるのは、すっきりする。

 「キバナさま…喜んでくれるかな。」

 いつか料理も僕が作ってみたい。
 栄養バランスがどうとかで
 やらせてもらえないけど。

 「……。」

 性行為の部屋も掃除していく。
 ここはいつも小汚い。
 一生懸命擦ってみるけど、
 シミが落ちないのだ。

 「ベッド、変えた方がいいのにな。」

 スプリングも全然きかないし、
 マットレスの汚れも酷い。
 僕が乗るだけでぎしぎしと軋んだ。

 「壊れそう。」

 ベッドの真ん中を避けてベッドに乗った。
 リードを後ろに回して、
 ごしごしとベッドの柱を磨く。
 側面も、床も、丁寧に。
 
 今日は女性を呼ぶと言っていたから
 少しでも綺麗にしておきたい。
 ベッドの下はほこりだらけだ。
 掃除機が奥まで届かないからだ。
 ここも拭いておかなくちゃ。

 「うー…届くかな。」

 ベッドの下に雑巾を伸ばすと、
 ぴんぽん、と呼び鈴が鳴った。




 「?だれか来たみたい。」

 玄関を開けることは許されていない。
 そのまま居留守を使うことになっている。
 宅配か…もしくは、
 前にキバナさまが追い出した女性か。
 しばらくすれば帰るだろうと
 そのまま掃除を続けていると
 玄関が開く音がする。

 「ん…?」

 時計を見るが、いつもより早い。
 まだ1時間はあるはずだ。
 仕事が早く終わって、
 玄関にいた女性をそのまま迎えた…とか?

 「あ…全部広げっぱなし。」

 掃除用具、全部出しっぱなしだ。
 急いで片付けないと。
 クローゼットに掃除用具を全部しまう。
 よし。これでいいか。
 1番上の棚が届かないから、
 掃除用具は全て下に置いてある。
 前みたいに、ここには隠れられなくなった。
 

 少しして、ぱたぱたと足音が聞こえてきた。

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