第9章 リード
「腕治ったら
料理以外の家事もしてもらう約束だっただろ?」
「……はい。」
「鎖あったら掃除もできない。
だから取った。
本当は部屋の鍵は全部閉めるつもりだったけど
お前逃げないから必要ないな。」
「逃げません。」
「だから、さっき言っただろうが。」
まったく、とキバナさまが呆れて鎖を拾う。
「あと、また枕濡らされたら困る。」
そう言って、鎖をがちゃがちゃとゴミ箱に捨てた。
それを見て、視線がゴミ箱で止まる。
「なんだよ。」
「家事って…ごみ捨てもですよね?」
「まあ…そうだな。」
「鎖って…何ゴミでしょうか…。
燃えないゴミ…?粗大ゴミ…?」
「……燃えないゴミ…じゃね?多分。」