第9章 リード
「…も……申し訳…ございませ…。」
「何考えてるか言え。」
「…………。」
キバナさまが僕を睨みつける。
こんな事を言ったら
キバナさまの気持ちが削がれるかもしれない。
「はやく。」
でも、キバナさまも引く気はない。
僕を愛撫する指を止めて冷たく言い放った。
言う…しか、ない。
「…昔のこと、思い出して、ました。」
「…………。」
「自分で解して、お客様の相手してたこと…っ。」
正直に答えると、
キバナさまの指がまた動き始めた。
抜くかと思ってたのに。
「ん……あ…っ」
「じゃあ、それオレさまに塗り替えとけ。」
「ひ…ッ、」
「その記憶はさっさと忘れろ。全部だ。」
キバナさまの指がさらに蠢いていく。
ぐちゃぐちゃと水音が寝室に響いた。
僕の記憶が、キバナさまの声で、
ゆっくり溶けていく。
「ここにいること、忘れんな。」
「ぅ…あ………。」
下を見ると、キバナさまと目が合う。
切なそうに僕を見つめていた。
蕾からぐちぐちと音が鳴り
指が上側の肉壁を
手前からゆっくりぎゅっぎゅっと当てられていく。
何かを確かめているような動きだ。
「…お前は、オレさまのことだけ
考えてりゃいい。」
「……。」
「返事。」
「………、はい…キバナさま。」
「体起こして見てみろ。
抱いてんのはオレさまだ。他の奴じゃねえ。」
キバナさまがまた指の動きに集中する。
体を起こして自分の腰を見ると、
本当に、キバナさまが
解してくれているのが分かった。
「は、はずかしい…です。」
「はぁ?いつも見せびらかしてんのに?」
「見せるのと…見るのは違います…。」
「全然分かんねぇ。」
自分の蕾に突き刺されている指を
ぼーっと見つめる。
キバナさまの指が僕の蕾から
行ったり来たりしていた。
変な感覚だ。