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ラストラインを越えて

第25章 高鳴り


『(……届いた、と思ったのに)』
少しだけ笑った。
雨か涙か分からない雫が頬を伝う。
でもその顔には、確かな満足が滲んでいた。
『(まただ……神座トレーナーのこと意識したら、なんか速く走れた気がする)』
勝負服の試走のときとこの前の二人三脚のとき。そして今日。
肩で息をしながら減速し、スタンドを見渡す。
雨だというのに相変わらず人が多くて、神座の姿を見つけることができない。
『(見ててくれたよね……)』
やりきった顔で深く息を吐きながら、ホマレは退場口へと向かっていった。









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