第1章 ボーイズ&ガールズ
授業の1/3を聞いていなかった私であるが、見くびってもらっては困る。
これでも一応進学クラスなんだ、予習してきたおかげでこのくらいの問題は簡単に解ける。
「できました!!」
「はい、お手本のような間違いをありがとう」
「えっ!?」
「引っかけ問題だ」
そう言って、先生はピンク色のチョークを持つと間違っている数式を書き直し解説を始める。
その間、私は先生の横で突っ立っているのだけど、これ席に戻ってもいいの?
気まずい……。
「引っかかりやすい問題だから、よく模試などで出題されるからな。席戻ってもいいぞ、空知」
「あざますっ」
先生のお許しが出たところで私は自分の席に戻った。
その途中、仲のいい友人たちが「あんたの独り言でかすぎ」とくすくすと笑っていて、また恥ずかしさで顔が赤くなった。
暫くすれば授業終了のチャイムが鳴り、最後に先生が宿題の範囲を口頭で述べた。
その量の多さに生徒からの文句が飛び交うも、先生は聞く耳持たずで「勉学は君達の仕事だ」と言った。
部活をやっている生徒の事も考えろ!と抗議したくなったが、部活動に所属していない私が言えるわけもない。
というか、部活やってるやつ声をあげろ!!
このまま社会の流れに流れるだけの人生になるぞ。
深いため息を吐いて、次の授業の準備をする。
次は確か……体育か。
男子と女子で分かれるから、月島蛍の雄姿をこの目に焼き付けることが出来ない。
くそ、月島蛍が汗をかいて動いているところをみたい。