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泡沫の夢【呪術廻戦】

第4章 任務


そして、もう一室。
悟はベッドの上で、天井を見つめていた。
今日の任務帰り、彼女を支える傑の姿。
いつもより見ているのが辛くなった。
(あいつ……)
言葉にならない想いが、喉の奥に絡まる。
ずっと隣にいた。
幼なじみで、誰よりも近くにいた。
けれど——それだけじゃ、届かないものがあるのだと、悟はようやく思い知らされつつあった。
「……チッ」
つい、舌打ちが漏れる。
感情をぶつける相手なんて、どこにもいない。
ただ、目を閉じるだけだ。
脳裏には、怪我をして、それでも笑っていたゆうなの姿。
そして、その隣で彼女を支えていた傑の姿が、しつこく焼きついていた。

それぞれの夜が、それぞれの胸に静かに流れていく。
想いは、まだ言葉にならないまま。
——けれど、確かに、動き始めていた。
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