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泡沫の夢【呪術廻戦】

第4章 任務


差し込む柔らかな朝日が、カーテン越しにゆうなのまぶたをくすぐる。

「ん……んぅ……」
と小さく伸びをして、布団からそっと起き上がり制服に着替えて静かに部屋を出た。

【高専・食堂】
早朝の食堂は人もまばら。
そこに夏油の姿をみつけ近づく。
「おはよう、夏油くん」
「おはよう、ゆうな。早いね」
「うん、なんか自然に目が覚めちゃった」
ゆうなは微笑みながら、彼の向かいに腰を下ろす。
小さくパンをちぎって口に運びながら、ふと夏油の方を見る。
「夏油くんはいつも早起きなの?」
「いや、朝から任務があるからね。……それと、ちょっと確認も兼ねて」
「確認?」
「うん、今日の任務。私とゆうな、2人で行くことになったから」
「……えっ、ほんとに? 2人で?」
「うん。任務内容自体はそこそこ強めの呪霊祓い。気を抜かないようにね。」
「……そっか。うん、わかった。夏油くんと一緒なら安心、かも」
「ふふ、それは嬉しいな」
夏油が柔らかく笑う。その笑みに、ゆうなは一瞬視線を逸らしそうになる。
そんな中――
「おっはよ〜〜〜〜〜!!」
ガラッと食堂のドアを開けて現れたのは、寝癖でボサボサの五条。牛乳パックをストローで吸いながら、相変わらずのテンションで現れる。
「朝からテンション高っ」
「は?ゆうな〜? なんで俺じゃなくて傑の隣座ってんの〜?」
「えっ!?いや、たまたま……!」
「ふ〜〜ん、たまたまねぇ?」
五条がにやにやとゆうなに身を乗り出すようにして見つめると、夏油が呆れたようにため息をつく。
「悟、寝癖直してから来いよ。」
「え、マジで? これが俺の“ナチュラルスタイル”なのに〜?」
「寝ぐせスタイルの間違いだろ」
そこへ、硝子が欠伸をしながらやってきた。
「……うるさい。朝からやめろ」
「おはよ、硝子ちゃん!」
「ん、おはよゆうな。……五条、マジでその寝癖どうにかしろ。見ててイラつく」
「ひどくない!?」
缶コーヒーを片手に、いつも通りの毒舌を繰り広げる硝子。
だが、ゆうなと視線が合うと、ふっと穏やかに微笑んだ。
「今日、任務でしょ?あんま無茶すんなよ」
「うん、ありがとう。夏油くんと一緒だから大丈夫だよ」
「……ん、なら平気か」
五条はその会話に不満げな顔で口をとがらせたが、何も言えずに牛乳をすすっていた。
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