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泡沫の夢【呪術廻戦】

第3章 夜


夜のコンビニへ
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「硝子ちゃん、ありがと……少し気持ちが楽になった気がする」
風呂上がりのゆうなは、少し赤らんだ頬にタオルを当てながら、硝子の横を歩いていた。校舎の明かりから離れて、薄暗い夜道の向こうに光るコンビニの看板が見えてくる。
悩みは風呂と甘いもんでだいたい吹き飛ぶんだよ。んじゃ、今日はアイスで締めなきゃでしょ」
「ふふっ、硝子ちゃんらしいね」
2人で並んでコンビニに入ると店員の気だるげないらっしゃいませが聞こえる。
「でしょー? ……んで、今日こそ五条も夏油もついてこなきゃいいけどねー…」
そう言いながらも、すでに硝子の目はどのアイスにしようかという戦いモードに突入している。
(……でも、なんでだろ。さっきのお風呂で、夏油くんの顔が……)
心の中に、あの穏やかな笑顔が浮かぶ。


(悟くんは昔からあんな感じだから、心配性なんだよなぁ…。でも夏油くんが私に優しくしてくれる理由はなんなんだろう…)
モヤモヤ考え込んでいても仕方ないのでゆうなは首をブンブンと振りアイスを選び始めた。

夏油 side
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「……ん?」
高専の窓から、夜道を歩いていくふたりの姿が目に入る。
夏油は読んでいた本を閉じる。
「ゆうな?……硝子も一緒か」
気づけば自然と立ち上がり、軽く上着を羽織る。
特に理由なんていらなかった。ただ、気になったから──それだけだ。
彼女の背中が遠ざかっていくたび、胸の奥がじわじわと疼く。
(……無理に踏み込む気はない。でも……)
(“もしも”のときは、必ず守る)
そんな想いが、足を前へと進ませていた。
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