すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第16章 ほんの少しのかけ間違い
「…は、なんで?」
「あっつー…意外と暑い」
「つか…待てって…!」
急いで凜桜の上から退けば慌てた様子でビニルをはがしていく住吉。
「…何やってんだよ」
「あ、お手伝いです!」
「手伝いって…え、何、琥太郎!お前もやらすな!」
「えーだってーー!!」
「凜桜も引き受けるな!受けんならもっとマシなの受けろ」
「ですね、まさか代表に踏まれるとは思ってなかったです…」
「…・・・」
その凜桜のひと言で我に返った住吉。
「…だよな。今夜空いてる?」
「…はい?」
「空いてるよな、焼き肉行くぞ」
「え?あ…へ?」
「いいから、これパワハラ案件かなって思った?」
「んー、」
「言いにくいよな、解った。焼肉はすぐ予約する」
「…え、あの、代表!?」
「琥太郎、お前後で話合いな?」
そう言ってガチギレのトーンでの住吉にくすくす笑う千紘と焦り出す琥太郎。それを見て焼肉?!と嬉しそうにも少し戸惑った様子の凜桜だった。
「…凜桜ちゃん!」
「はい?」
「パワハラじゃないってちゃんと言うんだよ?!自分からやりたいって言いましたって!」
「うん、言う」
「絶対、ちゃんと言うんだよ?!代表が納得するまでそれだけ言うんだよ?」
「クスクス…大げさ、でもないか」
「あれガチギレトーンだから、!!」
「ま、とりあえずはここ片付けよっか」
そう凜桜が話し、雑巾がけをする。しかしタイミング悪く凜桜が一人かけている、琥太郎がトイレに入ったタイミングを住吉に見られてしまった。
「琥太郎!!!」
「あ、あいつ今トイレっす」
「凜桜、やらんでいい」
「そうはいかないですよ。」
しかし、デスクチェアに座った住吉の顔は目がすわっていたのだ。