第9章 やきもち 凪 誠士郎
えっちの余韻を楽しむ暇もなく、互いに身体を拭き、服を着直す…
いつ誰が来てもおかしくないからだ。
『ねぇ、凪く…んぅ///』
「元に戻ってる」
やり直しっと言って優しく頬を撫でる仕草でさえも色っぽく見えてしまう。
彼が言いたいことは分かっている。
だけど改めて言おうとするとなんだか恥ずかしい…
エマ…っと呟き私の髪にそっとキスを落とし、じっと瞳を見つめられる…
彼のグレーの瞳に吸い込まれそうになりながらも私は意を決して…
『誠士郎くん///』
「なに?エマ」
満足そうな表情をする彼が可愛くて胸がキュンとする。
『好きだよ』
「俺も好き…今日俺ん家泊まんない?…正直全然足りてない」
『えっ?///で、でも部活…』
「部活はちゃんと行く、レオに行くって言っちゃったし。お礼も兼ねて部活には出るから待ってて欲しいんだけど」
『分かった!応援しててもいい?』
「うん、じゃあ行ってくる」
そう言って軽く私の唇にキスを落とし保健室を後にした彼の背中を見つめながら、私は先ほどの彼の言葉の違和感に首を傾げていた。
『お礼…?』
誠士郎くんのお礼とは何だろう…
またゲームでも買ってもらったのかな?
まぁでもいいか…
『誠士郎くん…』
彼が私にやきもちを妬いてくれたことが嬉しくて堪らなかったから…
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「おっ、凪!ちゃんと来たんだな!えらいぞ!」
「約束したし…それにありがとう」
「うぇ!?//な、なんのことだ…?」
「足止めしてくれたじゃん」
そう、実はエマを保健室に連れ込んで抱いてる最中に誰も来なかったのはレオが足止めしてくれてたから。
だからレオのおかげでエマと最後までできた。
それもあってちゃんと部活に出た訳。
「あ、俺は別に何もしてねぇからな!//」
顔を真っ赤にするレオ、全然誤魔化せてないじゃん。
まぁいいか、レオにもエマは俺のモノって釘を刺せたわけだし…
気がつけば俺の心のモヤモヤは消えていた。
はぁ…やきもちってめんどくさい…
___fin___