第1章 甘い朝 凪 誠士郎
『凪くん起きて!』
「ん〜、あと5分…zzz」
『また寝ちゃった…』
基本これが毎朝のやり取りだ。
彼氏である凪くんは同じマンションで暮らしている。
部屋もまさかの隣同士。
私たちはお互い高校生ではあるものの、一人暮らしなのだ。
私の両親は元々海外出張が多く、ちょうど高校に上がる前に海外で働くことが決まった。
高校も決まっている状態であった私は一人暮らしを決意し、今に至る。
そして凪くんは将来いい会社に勤めて楽する為に進学校を選んだものの、実家からは距離があり長く寝たいからという理由で一人暮らしをしているんだとか。
初めて聞いた時はびっくりしたけど、今では彼らしい理由だなぁと思える。
付き合った理由は長いので割愛するけど、ひょんなことで凪くんと仲良くなり、そして付き合って半年が経つ。
朝が特に弱い凪くんを起こすのは毎朝のルーティーンだ。
『5分経ったよ、起きて!ほんとに遅刻しちゃうよ!!』
「ん〜まだ起きたくないよ…」
でもなかなかすんなりは起きてくれずいつも悪戦苦闘している、しかも今日はかなり厄介…
いつもならなんだかんだ起きてくれるのに今日は起きる気配すらない。
『もう凪くん!置いていくよ?』
「…じゃあ起きる気出させてよ…」