第7章 沈黙の証言

「ち、ちがっ…」

優「まぁそうだけど。でもあれはなんの意味もなかったな。もしかして何かと近づいてる証拠とか出てくるかと思ったけどなーんにも出てこなかった」

「なんで…」

優「あーなんで潔くんと千切くんだけかって？だって2人が1番が心許しちゃいそうじゃん。明るくて素直な感じ。凛くんは突き放す系だし、國神くんは無愛想だし、凪くんはぼーっとして人に興味なさそうだし。でも結果危ないのはみんなだったね。良かった。手出される前に来られて」

そう言う優人の目にはなんの色もなかった。

「みんなに…みんなに変なことしないで…」

優「変なことってなにさ。ってか、君って時々…自分の立ち位置を見失うんだよね。昔からそう」

まるで独り言のようにそう言って、優人は少しだけ笑みを浮かべる。

優「一応聞いてみるけど、まさか"ここが私の居場所"とかそんなこと思っちゃってる？」

「っ…」

優「違うよ。の居場所はここにはないよ」

「そ、そんなことっ…！だってみんな…」

優「みんな優しくしてくれるし…って？」

「…」

優「それは“ブルーロックだから”だよ。この"環境だから"だよ。男だけの厳しい環境にいて、可愛い女の子のマネージャーが1人浮かない顔してたら、そりゃ放っておくなんてできないでしょ。」

優人の言葉が、心の隙間に滑り込んでくる。

優「それにここにいる子たちは本当に優しいよね。優しいから尚更放っておくなんて出来ない。本当は邪魔だと思ってたとしても。それを顔に出すような子たちではないよね。」

「……そんな、こと……」

声が震えた。息が浅くなる。頭がうまく回らない。