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EMPIRE PRINCESS

第1章 EMPIRE STORY




「それに、僕のお嫁さんなんだから、一緒にいるのは当然でしょ」
「おー、言うねぇ?それを言うなら僕ちんの奥さんにだってなるんじゃない?」
「おやおや、まだ決まった訳ではないでしょう。まぁそこの馬鹿は関係ないみたいですが」
「勝手にしろとは言ったが、協力しねぇとは言ってねぇ」
「ランランってば、照れ屋さんなんだからっ!」






ボッ、と火の玉が嶺二の帽子を掠めて焦げ目が付く。
ぎゃー!と叫ぶレイジの他に、誰かの叫び声が聞こえた。






瞬間、火の玉が飛んだ先で何かが燃えていた。






それはドサッと地面に転げ、バタバタ動いている。カミュが氷で[それ]を固めて、鎮火と共に動きを封じた。



「そんな殺気放ってたらバレバレなんだよ」
「お姫ちゃんを狙ってたみたいだね。この服、確か敵国のでしょ?」
「ふん、スパイにしては未熟だな。大胆にも、この国で命を狙うとは」
「それだけの価値が、彼女にはあるって思われてるのは間違いないね」




その光景と言葉に、はぶるっと肩を震わせる。
めんごめんご、怖がらせたい訳じゃないんだ~!とレイジが明るい調子で返す。アイが風で、それをどこかへ運んで、見えなくなった。
大丈夫大丈夫、とレイジがの頭をポンポンと優しく撫でる。




「まぁ、僕らも、姫の力にあやかりたいって言ってる口だから、偉そうな事言えないんだけどねぇ」
「......皆様は、違うと思います」




アイの腕から降ろしてもらった。
両手を、ギュッと握って4人を見る。その瞳は澄み切った色をしていた。






「...私の、先程の歌は、何かを守りたいと願う、心が優しい方にしか、聞こえないはずなのです」





だから、もし利用されるとしても、皆様のお心を、私自身を、信じます






そう言葉を紡ぐまっすぐな瞳は、彼らを、惹き付ける。












「... ふふっ。姫、自分は、ただのカミュ、とお呼び下さい」
「....ランマルだ」
「んもー、ランラン!ちゃんと名乗りなって!僕はレイジ、ファミリーネームは“寿嶺二“でっす!ほら!」
「.....“黒崎蘭丸“」
「僕はさっき言ったけど“美風藍”だよ」



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