• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第30章 「善意の逆理 Ⅲ」


「野薔薇ちゃん」

「何」



私は真澄から目を離さないまま答える。



「さっき、私が跳ね返した刃のひとつが他のものより脆かったの」

「それが何?」

「この前、化学の授業でやったこと……覚えてる?」



化学の授業?
なんだっけ。
……真面目に聞いておけばよかったわ。



「覚えてるわよ。……ぼんやりは」

「同じ材料でも、混ざってるものが違うと、強さが変わるって。少し違うものが混じるだけで、脆くなることがあるって」

「それって、さっきが言ってた脆かった刃っていうのは……」

「たぶん、何か違うものが混じったところだけ、うまく組み直せなかったんだと思う」

「違うもの?」



は、自分の傷ついた手をちらりと見た。

そうだ。
さっき、が破片で手を怪我して……――。





血だ。
怪我した時に、血が床に落ちたんだ。


真澄は術式で崩したコンクリートの床を、刃として組み直した。
でも、そこに別のものが混じっていたら。

形は作れても、強度までは揃わない。



「……なるほどね。混ざり物があると、あいつの再形成は甘くなる」



が小さく、でもはっきりと頷いた。


混ざり物。
要は、コンクリートをコンクリートとして組み直せなくすればいい。


その時、屋上の隅にあるものが視界に入った。



「……あった」

「野薔薇ちゃん?」

「、真澄の気を逸らして」

「十秒なら」

「上等」



私たちの会話に、真澄が眉をひそめる。



「何をこそこそ話してるの?」

「真澄ちゃんには内緒!!」



返事と同時に、が地面を蹴った。
小太刀を構え、真澄へ真正面から飛び込んでいく。



「また同じことをしても無駄だよ」



真澄が片手を上げる。
足元のコンクリートが崩れ、灰色の刃となってへ襲いかかった。
/ 919ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp