第29章 「善意の逆理 Ⅱ**」
「……っ、く、止まんな……っ」
さっきから、もう何度も欲を吐き出しているはずなのに。
それでもまだ足りないみたいに、僕は彼女の奥へと注ぎ込んだ。
「……っ、なか、いっぱい……先生ので……」
「ちょっと。そういうこと言うと、ほんとに終われなくなるよ」
「終わらなくていい……」
そう言って、は僕の胸に縋り付いてきた。
もう、この子は。
本当に僕をどうしたいの。
「こんなえっちになっちゃって」
「むっ、だれのせいですか……」
涙目で睨んでくるのに、頬は真っ赤で、声にはまだ甘い熱が残っている。
そんな顔、他の誰にも見せたくない。
のこんなところを知っているのは、僕だけでいい。
心の中でそう思いながら腰を引くと、が「ぁっ」と小さく声を漏らした。
僕が注ぎ込んだものが、とろりと溢れて太ももを伝っていく。
「ど、どうしよう……っ」
が一気に顔を赤くして、慌てて両手で脚の間を隠そうとする。
もちろん、そんな小さな手で隠しきれるわけがない。
僕の痕跡で彼女が汚れている。
その事実が、満たされたはずの欲をまたじわじわと煽ってくる。
僕はシーツでの身体をくるりと包み込んだ。
彼女をひょいっと横抱きに持ち上げる。
「わっ、先生……!?」
「とりあえず、シャワー浴びよっか。僕の部屋行こ」
「誰かに見られちゃいますよ……!」
シーツの塊になったが、僕の胸に顔を隠す。
「見られたからって、別によくない?」
「よくないですっ……!」
腕の中でじたばたするを、落とさないように強く抱き直す。
「ね、」
「な、なんですか……っ」
僕はにこりと笑って、彼女の真っ赤な耳元に顔を寄せた。
「シャワー浴びたら、朝までベッドから出さないからね」
「ひっ……!?」
腕の中で、が分かりやすく跳ねた。
あれ? さっき、終わりたくないって言ってたよね。
今の悲鳴は聞かなかったことにしよ。
僕は笑いを噛み殺しながら、彼女を抱え直す。
シーツの中から、の指が僕の服をぎゅっと掴んできた。
その小さな重みごと、腕の中に閉じ込めるようにして。
僕は医務室を後にした。