第27章 「花の匂いは誰のもの**」
(……さあ、どうする?)
急に動くのをやめたから、焦ったいよね。
でも、自分から腰を振るなんて。
恥ずかしさと、抗いきれない欲しさのあいだで揺れているのが、痛いほど伝わってくる。
もっと乱れたが見たい。
泣きそうな顔で、僕しか見えなくなるまで欲しがってほしくなる。
すると、この中途半端な状態が耐えられなかったのか。
が震える足に力を入れて、腰を持ち上げて動き出した。
「や、ぁ……ぅ……せ、んせ……っ」
僕の上で、が見よう見まねで腰を上下させている。
ぎこちないし、動き方も全然わかってない。
正直、上手いとはいえない。
でも、妙な優越感が腹の底からせり上がってくる。
こんなふうに自分から求めるのも、感じながら動くのも、全部。
僕が初めてなんだってわかるから。
これ……一生見てられるかも。
「気持ちいい? 自分の好きなとこ、もっと擦っていいよ」
「……っ、ふ、ぅあ……もう、わかんな……い……っ」
最初は、一番奥まで沈み込むのが怖かったんだろう。
浅いところばかり、当てていたけど。
(……おっ)
何度か繰り返すうちに、動きが変わってきた。
自分の中の、どこを擦れば気持ちいいのか。
だんだんと、その感覚を掴み始めたらしい。
「……はっ……ん、くっ……ぅあ……っ」
(あ……ここ、当てに来てる。気持ちいいんだ。覚えとこ)
焦点の合わない、とろんと潤んだ瞳。
赤く染まった頬は涙で濡れていて、だらしなく開いた唇からは甘い吐息だけが漏れている。
理性が完全に溶かされてしまっている無防備な姿。
その顔を見ていると、僕の中の意地悪なスイッチが入ってしまう。