第24章 「可惜夜に眠る 後編②**」
「今日は何もしないって、決めてたんだけどな」
言い訳をするように呟いたかと思うと、先生の顔がゆっくりと近づいてくる。
(わ……)
目を閉じるより早く、唇に柔らかいものが重なる。
最初は、ただ触れるだけのキス。
でも、少し離れたと思った次の瞬間。
もう一度重なった唇は、さっきよりずっと深かった。
頭の後ろに手が添えられて。
わずかに開いた唇の隙間から、熱い舌先がするりと入ってくる。
くちゅ、と濡れた音が静かな部屋に響いた。
口の中をかき混ぜるように、先生の舌が私の舌に絡みついてくる。
(……先生の、舌……)
大きくて、熱くて。
口の中の全部が、先生の舌と吐息で満たされていく。
(……好き)
腰のあたりが、ぞくっと震えた。
苦しいのに、離れてほしくない。
もっと、って思ってしまう。
(先生のキス……きもちいい……)
無意識のうちに、自分から先生の舌を迎え入れてしまう。
「ぁ……っ、んぅ……」
息が続かなくなってきた頃、ようやく唇が離れて。
とろんと霞む視界の中で、先生がこつんと自分の額を私のおでこにくっつけた。
触れ合ったところから、先生の熱がじんわりと伝わってくる。
「……この前は、痛くしてごめん」
(この前……?)
その言葉で、すぐにピンときた。
この部屋で先生に激しく抱かれて、身体中に痕をつけられた時のこと。
(……先生、ずっと気にしてたの?)
痛かったのは本当。
でも、あの時の先生はひどく傷ついた顔をしていて。
それに、あれは私が覚悟できてなかったからで。