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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第7章 「残るのは、君だけ」


校舎二階の教室。
窓際に立つ五条は、外のグラウンドを何気なく眺めていた。


風に乗って、甲高い声が届く。悠仁だ。
その隣で、恵の手を取りながら笑うの姿がある。
ほんの青春のひとコマ――それ以上でも以下でもないはずなのに。


(……なんだ、これ)


が他の誰かと笑っているだけで、胸の奥が静かにざわめく。
理由を探しても、指の間から水のように零れ落ちていく。



「五条」



不意に背後から声がして、五条は振り返った。
白衣の硝子がファイルを抱えて立っている。



「これ、頼まれてたの診断記録」



硝子が差し出すそれを、五条は片手で受け取った。



「サンキュー、硝子」



視線を再び窓の外に戻す。
硝子もその隣に並び、同じ景色を見下ろした。



「――査問会、何か策はあるのか?」



五条は小さく息を吐く。



「上はたぶん、査問会まで待たないね。“任務中の事故”とか言って、を消す気だよ。……悠仁の時みたいに」

「……じゃぁ、どうする気だ?」

「簡単だよ。ちょっとでも戦えるようにして、僕の視界から外さない。それだけ」



窓枠を指先で軽く叩きながら、グラウンドの一年たちを見る。
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