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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第22章 「可惜夜に眠る 中編**」


「どうしてあの時、夏油さんを見逃したんですか。それなのに……私のことだけ、責めないでよ……っ」



言ってはいけないと分かっているのに。
溢れ出した感情は、もう止められなかった。



「先生だって……夏油さんのこと、ずっと引きずってるくせに!」



悲鳴のような声が、静まり返った廃村に響き渡った。
叫び声が、湿った冷たい空気に吸い込まれて消えていく。


(……あ)


しまったと思った時には、もう遅かった。


先生の動きが、ピタリと止まって。
その蒼い瞳が、ほんの一瞬だけひどく無防備に揺らいだ気がした。



「ごめん、なさ……っ」



慌てて謝ろうと、震える唇から掠れた声を絞り出した。
けれど、その言葉が最後まで形になるより早く。
先生は私から視線を外し、ゆっくりと立ち上がった。



「……ああ。今でも後悔してるよ。あいつを、一人にしてしまったこと」

「だけど、僕はそれから目を背けたことは……一度もない」



たった一人の親友を引き留められなかった、先生の過去。
振り下ろせなかった拳の重さと、どうしようもない喪失感。
それを抱えたまま、それでも前を向き続けているこの人に――
あんな言葉をぶつけるなんて。
自分と同じじゃないかなんて。
自分の醜さと卑怯さに、吐き気がする。



「わかった。好きにしたらいいよ」



いつもの甘やかすような温度は、もうどこにもなかった。



「でも……君の呪いに、他人を巻き込むな」



先生は、私を見下ろしたまま静かに告げた。



「。今の君を、高専には置いておけない」

「……え?」



あまりにも突然で、頭が真っ白になる。
置いておけない。
どういう意味。


それって――。







「呪術師をやめてもらう」



♦︎ 第22章 了♦︎
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