• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編**」


山の中にポツンと建つ、木造の古びた建物。
入り口の看板には、『呪術高専 第三演習場』と書かれている。
壁にはツタが絡まり、プールの代わりに雑草がぼうぼうと生えた庭が広がっていた。

 

「……えっと、ここ、ですか?」

 

私が呆然と呟くと、先生が爽やかに親指を立てた。

 

「そ! ここが今回のみんなのお宿でーす!」

 








 
「ふざけんじゃないわよぉぉぉっ!!!」

 

野薔薇ちゃんの絶叫が山にこだました。
そして、すごい勢いで先生に詰め寄り、その胸ぐら(高いから届かないけど)を掴もうとする勢いで吠える。

 

「何これ!? ボロ屋じゃない! プールは!? プライベートビーチは!? 執事が並んで出迎えてくれるお屋敷はどこよ!?」

「え、ないよ。そんなの」

「はあぁ!?」

「だってここ、山だもん」

 

あっけらかんとした先生の返答に、虎杖くんがビーチボールを抱えたまま、しょんぼりとうなだれる。



「うそだろ……俺のビーチバレー……」

「五条先生。これ、詐欺罪に問われますよ」

 

伏黒くんが冷ややかな目でスマホを取り出しかける。

 

「えー、みんな酷いなぁ。僕、そんなこと一言も言ってないよ?」

「言ったわよ! 『五条家の別荘』って!!」

 

野薔薇ちゃんが噛みつく。

 

「ノンノン。僕は言ったよ? 『五条家の別荘の、ち・か・く』で合宿だって」


 
先生は、山の向こう側を指差した。

 

「うちの別荘は、あっちの山を二つ越えた先の岬にあるよ。車で30分くらいかな? ここは高専が管理してる、ただの演習所!」

「……ちっ、こんなことだろうと思った」

 

真希さんの声には、呆れと諦めが滲んでいた。



「いくら」

「まあまあ、屋根があるだけマシだと思おうぜ……」

 

狗巻先輩とパンダ先輩も呆れ顔。
野薔薇ちゃんはその場に膝から崩れ落ちた。

 

「私の……私のリゾートが……バカンスが……」

「はいはい、文句言わない! ほら、荷物運んで!」

 

先生が手を叩いて、みんなを急かす。


ブーイングを飛ばしながら、みんな渋々荷物を持って、ボロ……いや、“趣のある”合宿所へと足を進めた。
/ 567ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp