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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第5章 「境界に口づけて」


(……消えてしまいたい)


胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
倒れる前――訓練場で自分がしでかしたことを思い出すたび、穴があったら入りたくなる。
よりによって、先生にあんな……。


(もう顔向けできない……)


は布団を握りしめ、視線を合わせることもできなかった。


だがその沈黙を破ったのは、五条だった。



「ねぇ、」



低く、芯の通った声。



「――悠蓮って名前に、心当たりは?」



の心臓が大きく跳ねた。驚きで呼吸が詰まり、思わず起き上がり、五条の顔を見る。



「……なんで、その名前を……」



震える声が漏れた。


五条はサングラス越しにじっとを見据えていた。
レンズの奥にある六眼の光は見えなくても、その視線がまっすぐ自分を射抜いているのがわかる。



「さっき、君の口から聞いた。というか……君じゃない“何か”が名乗った」



静かな言葉。
だが、その声には揺るがない真剣さがあった。


は唇を噛み、視線を逸らした。
隠し通せる話じゃない――そう思った。



「……夢で」



小さく、震える声で言う。


五条の手がわずかに動いた気配がした。



「夢?」



促されるように、は続けた。



「何度か見たんです……。草原みたいな場所で、白い花が一面に咲いてて……。そこに、翠色の目をした長い黒髪の女の人がいて」



その言葉に、五条の指先がわずかに止まる。
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