第20章 「君の心をさらったその日から**」
(……早く、挿れたい……)
さっきから、頭ん中はそればっかだ。
この身体に、今すぐ埋もれたくてたまらない。
でも――
(……っ、あれ? 今日、持ってたっけ?)
完全にノーマークだった。
こんな展開、予想してなかったからな。
まさか、今日と過ごせると思ってなかったし。
(僕としたことが……!)
五条悟、最大の失態。
「……先生、どうしたの?」
僕の沈黙に気づいたのか、が顔を上げた。
その瞳が不安そうに揺れてる。
「あー……今日は持ってないから。残念だけど、これで終わりね」
「……でも……先生は大丈夫、なの……?」
遠慮がちに落とされたその声に、僕は小さく息を吐いた。
「さすがに“なし”はダメでしょ。僕は我慢できるからさ――大人だし?」
彼女の濡れた前髪を払い、そっと額に口づける。
でも、正直に言えば……
(……僕のこの高まった熱は、どこにぶつけたらいいの?)
けれど、に口や手でしてもらうのは……まだ早い気がして。
仕方ない。今日祓った呪霊のことでも考えて……
そんなふうに頭を冷やそうとしていた時。
がもじもじと身体を動かし、小さな声で言った。
「……わ、わたし……持ってます……」
「えっ?」
その言葉に、僕の思考が一瞬止まる。
、持ってるの? まじ?
「……おばあちゃんが……くれて、スカートのポケットに……」
(のおばあちゃん!! グッジョブすぎる!!!)
心の中で、思いっきりガッツポーズする。
表情には出してないつもりだけど、たぶん顔がニヤけてる。
「……取ってくる……っ」
そう言って、は湯船から立ち上がった。
濡れた身体を恥ずかしそうに抱えて、脱衣所へ向かう背中。
揺れる髪。
紅潮した肩。
しずくが太ももを伝って落ちていく。
思わず、ごくりと喉が鳴った。
閉まっていくドアの向こうに消える彼女を見送りながら、僕は肩まで湯に沈み直した。
沸騰しそうな身体を、湯の熱に紛らせるように――