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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


両親がいなくなってから、
私にとっての「家族」は、おばあちゃんだけだ。


高専に入る前は、一緒に暮らしていたから。
毎日顔を見て、声を聞いて、無茶をしたらすぐ気づけた。

 
でも、今は――

私は寮で、おばあちゃんは一人暮らし。

 
今日みたいなことがあっても、知るのは全部が終わったあと。

 
今みたいに、こうして笑ってくれてるからいいけど……
もし、ほんとうに何かあったら。


(……やだな)


じわっと不安が広がる。
呪いでも、任務でもない。
もっと近くて、もっとどうしようもない怖さ。


おばあちゃんが、私の知らないところで静かに年を取っていくこと。


それに、ちゃんと向き合わなきゃいけない時が、
もう近づいてきている気がした。
両親でさえ、まだ私は――





ふと、煎餅の香ばしい匂いが鼻をくすぐった。



「なんか、ほっとしたらお腹減っちゃったね」



おばあちゃんはテーブルの上のお煎餅袋を開けていた。



「ほら、お煎餅。スーパーの半額コーナーで買ったやつだけど」

「うん、ありがと」



お煎餅を受け取り、一口齧る。
ここに住んでいた頃、よく食べていた。
しょうゆ味のなんてことない、いつものお煎餅。
でも、ひとくち齧るだけで安心できる味がした。


ふとおばあちゃんを見ると、前に見たたときより少しだけ華奢に見える気がした。


(……あれ? 少し痩せた?)


服のせいかもしれない。
気のせいかもしれない。

 
そう思おうとしたのに、包帯の下の輪郭が前より少しだけ細く見えて。

 

「……おばあちゃん、ちゃんとご飯、食べてる?」
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