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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第19章 「死に咲く花」


「……足の方がいいみたいですね」

 

その刃を男に突きつけると、男は震えながら顔を上げた。

 

「っ、や、やめてくれ……っ!」

「ほんとに、ほんとに知らねぇんだって……! 呪詛師御用達の闇サイトで、求人が出てたんだよ! 呪具や呪符の代行発送をするっていう簡単な仕事だ」

「欲しいもんがあって……ちょっと、小遣い稼ぎにやってただけだよ……!」



五条は大げさに溜息をつきながら、片手をポケットに突っ込む。

 

「はぁ~~……呪術師は命張って年がら年中働いてんのに、お前ら呪詛師は小遣い稼ぎかよ。いいご身分だなぁ、ほんと」

 

七海も男に冷ややかな視線を向ける。

 

「あなたがしたことは、“ちょっとしたバイト”で済む話ではありませんよ」

 

七海は続けて男に問いかける。

 

「指示は、誰から?」

「全部メールで、誰かはしらねぇ……!」

「問い合わせもできねえの。返信とか送っても、自動応答しか返ってこなくて……っ」


「届く荷物の中身は?」

「わかんねぇよ……!絶対開けるなって言われてて、中身はしらねぇ!」



その言葉に、五条は小さく舌打ちした。



「中身も知らずに、荷物を運んでたってわけ?」

「救いようがないな。頭も使えず、責任も持てず。そういうの、一番嫌いなんだよね」

 

そして、五条は男の襟元を掴み、ぐっと顔を近づけた。

 

「諏訪烈って名前、聞いたことは?」

「なんだよそれ……知らねぇよ……っ!」

「ほんとに、指示されたこと以外、何も……!」

「俺のスマホ見てくれればわかる! 全部そこに残ってる……!」

 

声が震えていた。
恐怖で濁り、必死に命乞いをするような色が混じっていた。

 
五条と七海が視線を交わす。
七海が静かに問いかけた。

 

「あなたのスマホは、どこに?」

「……ズボンの、ポケットの……中っ……」

 

七海は男の腰のあたりを探るように手を伸ばし、ポケットの中からスマートフォンを取り出した。

 

だが、その瞬間――

 

男の体が、ビクンと大きく跳ねた。

 

「……っ、あ……!?」

 

五条と七海は何かを察知し、即座に男から一歩下がる。
男の肌の下で、何かが脈打つように蠢いた。

 

「――七海」

「……これは……」
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