第18章 「血と花の話をしましょう**」
「……ごめん、聞こえなかった」
「もう一回、言って?」
先生は耳元で、わざとらしく。
くすぐるみたいに、悪い声で笑う。
そして、私の手を片手で掴んでシーツに押しつけた。
もう片方の手は、私の腰を深く抱え込む。
「僕も、二週間待たされたわけだし……」
「たくさん突いていいよね?」
ゆっくり、じっくり、そして時に荒く。
緩急をつけた動きが、全身を支配していく。
「っ、ん、や……あっ、あ、っ――」
「の声、可愛くて何度でも突きたくなる」
先生の声すら、下腹の奥に直接触れられているみたいに感じる。
(また……くる……っ)
(や、もう……)
どこを触れられても、もう全部が性感帯みたいで。
「ひっ……ん、ふっ……あ……あぁ……っ」
私の反応を愉しむように、先生の動きが深く、速くなる。
(いく、また、きちゃう――)
ぐ、と奥を擦られた瞬間、喉の奥からかすれた声が漏れた。
「ひっ……あ、あっ、そこ……っ!」
腰が跳ねた。
熱がぶわっと駆け上がる。
「……っ、あ……っ、や、いく……ぅ……」
ごつん、と突き上げられた拍子に、視界の端が光でちかちか滲んだ。
足の指がきゅうっと丸まる。
それに反応したように、先生の腰が強く沈んだ。
「……っ、く……」
そのまま、深く何度か打ちつけるように動いて、沈み込んだ腰が一瞬だけ強く痙攣する。
気づけば、先生の首に手をまわした。
そうしなければ、溺れてしまいそうだったから。
(……すき……っ、すき……せんせ、……)
繋がった部分が、まだじんじんとしている。
心臓の音も、息の乱れも、全部――先生のものと混ざって、うまく分からない。
(……せんせ……)