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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第5章 「境界に口づけて」


「ち、違うって!!!」



ほとんど叫ぶように否定した。
その声が大きすぎて、近くにいた虎杖と伏黒が驚いて振り向く。さらに少し離れたところで、五条までこちらをちらりと見るのが視界の端に映った。


は慌てて口を押さえた。
胸の奥が焼けつくように熱い。


(……見られた……!)


唇が震え、押し殺すように声を出した。



「……私が悪いの。先生は、何もしてないよ」



それは誰に向けた言い訳なのか、自分でもわからなかった。


野薔薇はしばらくを見つめ、ふぅと小さく息を吐いた。



「……なら、いいけど」



そう言いながらも、その表情にはまだ腑に落ちない影が残っていた。



「授業始めるよー」



五条の明るい声が教室に響く。
野薔薇も席に戻り、教室はいつものざわめきに包まれていった。


も自分の席に座った。
――でも、心だけは落ち着かない。


教壇に立つ五条を見上げた瞬間、胸がきゅっと締めつけられる。
昨日と同じ、いつもの先生。
それなのに。


(……どうして、こんなに苦しいの)


ペンを握る手に力が入る。
視線を逸らそうとしても、また彼を追ってしまう。
好きだと気づいてしまった想いが、もう隠しきれなかった。


それを悟られないように、ただ下を向いて、呼吸を整えるふりをした。
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