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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第5章 「境界に口づけて」


「野薔薇ちゃん、行こう!」



そう言って、野薔薇の手を強く掴む。



「え、ちょ、ちょっと?」



戸惑う野薔薇を半ば引きずるようにして、教室の中へ駆け込んだ。
背後で五条が「おーい?」と呼びかける声がしたが、聞こえないふりをした。


(……また、逃げちゃった)


心臓が耳の奥で鳴り響く。
手のひらは汗でびっしょりだった。


教室の中に入ると、ようやく足が止まった。
それでも心臓は、さっきから暴れ続けている。



「ちょっと、」



掴まれていた手を振りほどき、野薔薇がの前に立つ。



「昨日、何があったの?」



真っ直ぐな視線。
逃げ場がない。




「……な、何も……」



視線を逸らし、かすれた声で答える。



「嘘。先生となんかあったでしょ」



野薔薇の言葉に、はびくりと肩を揺らした。図星すぎて、目を合わせられない。


その沈黙を見て、野薔薇の顔色が一気に変わる。



「……ちょっと待って。まさか――」



ぐい、との肩を掴む。



「もしかして、あの目隠しに呪具庫で襲われたとか!?」

「ち、ちがっ……!」

「いや、ありえるでしょ!? あの人、見た目チャラいし非常識だし――」
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