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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第17章 「花は蒼に濡れる**」


***


先生の手に引かれて、私はベッドのすぐそばまで歩を進めた。
恐る恐るベッドの端にそっと手をかける。

 
きし、とマットレスが小さく鳴いた。


片足を慎重に乗せる。
そしてもう一歩――
ゆっくりとベッドの上へ身体を移した。


距離が一気に近づく。
先生の体温が空気から伝わってくる。

 

「……」

 

名を呼ぶ声が優しく響いた。
先生の指が私の手をそっと握り直して――


次の瞬間、ぐっと強く先生の胸元に引き寄せられた。

 
(……っ!)

 
先生の体温と匂いに包まれて、息が止まりそうになった。
胸板に頬が触れ、心臓の音がすぐそこで響いている。


先生の腕が背中へ回され、包み込むように私を抱きしめてくる。

 

「……僕と同じ匂いする」

 

耳元で低い声が笑った。
先生の鼻先が私の髪をすり抜け、首筋をかすめる。


息が触れたところが、ぞくっと震える。
そのまま耳の近くで――

 

「あのタイミングで、待ってはないでしょ」


(――っ!)

 
耳が先生の息がかかって、じんじんする。

 

「……ご、ごめんなさい」

 

必死に声を絞り出したけど、まともに顔なんて上げられない。

 

「まぁ、いいけどね」

 

余裕たっぷりな声色で、先生がそう返す。


でもその声とは裏腹に、背中の腕がさらにぐっと強くなる。
まるで逃げ場を塞ぐように、きゅっと抱き込まれて。


先生の唇が耳のすぐ近くで動く。

 

「僕に舐められたくて、綺麗にしてきたんでしょ?」
 

(――!?)

 

言葉の意味が頭に届くより先に、顔が一気に熱くなった。

 

「な、なに言って……っ」

 

声が震える。
けれど先生は、そんな私の反応すら楽しんでいるようだった。


ふいに、頬にかかっていた髪にそっと指が触れる。
そのまま指先は耳の後ろへと滑り込み――
髪をゆっくりとかき上げた。

 
先生の指が通りすぎたあと、熱が残る。
耳の裏をかすめていった感触に、鼓膜の奥がじんと疼いた。
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