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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「祝福に咲きしは、偽りの華」


「が可愛すぎて、僕のHPがゼロになりかけてるって話……」

なんとも情けない声でそう言って、柱にもたれかかったまま、顔を伏せる。

はぽかんとしたあと、耳まで真っ赤になって俯いた。

「な、なにそれ……」

それでも、口元はかすかに緩んでいた。
恥ずかしさと、嬉しさと、ほんの少しの安心が入り混じった、小さな笑み。

五条はそっと顔を上げ、彼女の横顔を盗み見る。

「……ほんとは、今日はただ隣で寝るだけのつもりだったんだけど」

囁くように言いながら、五条は唇をわずかに吊り上げた。

「これ以上可愛くされたら、僕、マジで勃っちゃう」

「っ……さ、さとるさんっ!!」

顔を真っ赤に染めたは、枕を掴んで思い切り五条に向かって投げつけた。

しかし――。

ふわり、と枕は彼の目の前で止まり、そのまま空気を滑るように床へ落ちる。

「……む、無下限……っ」

涼しい顔でタオルを首にかけ直す五条に、はふるふると肩を震わせた。

「ずるいですっ、術式、解いてください!」

「んー……」

五条はわざとらしく悩むようなそぶりを見せたあと、いたずらっぽく笑う。

「じゃあ……が、もうちょっと近くに来てくれたら、考えてあげてもいいよ?」

「……!」

わずかに頬を膨らませたが、ぷいと顔を背けながら返す。

「……その手には乗りません」

その言い方が可愛くて、つい五条が吹き出す。

もつられて笑ってしまい――
ふたりの静かな夜に、やわらかな笑い声が重なった。
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