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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第10章 「花は焔に、焔は星に」


✦ ✦ ✦



同じ星空の下――
誰もいない高台に、ひとりの男が佇んでいた。


その姿は闇に溶け、輪郭すら曖昧だ。
ただ、月光がわずかに髪を照らす。

 

夜風が吹き抜ける。
彼の前髪を、静かに揺らしていった。

 

「悠蓮……やはり、お前は綺麗だね」

「千年経っても、変わらない。……けれど」

「今の“それ”も――悪くない」


男の瞳が、ゆっくりと細められる。
星の光を反射して、淡く、狂気に似た光が宿る。

 

「……待ってて。もうすぐ、迎えに行くよ」

「今度こそ、“あの日”の続きを――」

 

その囁きは、夜の帳に溶け、風に攫われて消えた
そして、男はふと微笑んだ。


――それは、痛みか、歓喜か、それとも狂気か。






──第一部、了。
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