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ゲスが改心するって言ってるけど信じますか?

第1章 告白されましたが、信じますか?


 「……と、いうわけで。家を出たけど、これからどうしようかな~?って考えてたらゲスナーが声かけてきて、今に至ると。ご清聴有難う御座いました」

「今日ってエイプリルフールだっけ?というか、どーせならアイツが贈ってきた宝石やらアクセサリーも持っていって売り捌いとけよ」
 「いやぁ〜時間も時間だし、兎に角、お邪魔虫は退散しようという思いが、強くてね〜。それに、いくらエイプリルフールでも、あんな嘘つく人は流石に……ね」

 そこまで頭が働かなかったし、許されるなら慰謝料として離婚届送る時に要求しようかな?年俸三億のエースストライカー殿だ。中古品に贈った役に立たない高いガラクタをわざわざ運命の番に贈るような事はしないだろうし、贈ったものをどう扱うかは贈られた側に決定権がある…………よな?所有者は一応まだ、私………だよな?…………不安だ。

 「おい、大丈夫か?」

 考え込んでいると心配そうに此方に声をかけてくる。

 「大丈夫だよ。まぁ、とりあえずアクセサリー類は離婚届送る時に相談してみるわ。『慰謝料代わりに売り捌く』って書いて」「あははは、ウケるわー。手紙、更衣室のロッカーに仕込め、読んだ時の一部始終カメラに収めて後で送ってやるから」「えー、それは見たいけど、手紙読まずにファンレターだと思って捨てられそうだからな」
 軽口を叩くと吊られるようにして女も明るい声で話すが、表情にあまり覇気がない。
 「嫌味の一つや二つ言ってやれば良かったんじゃないか」
 「嫌味を言われた所で心が痛まないでしょ?こんな事なら最初から運命の番を探してるべきだったとは思うけど、浮気する前に言ってくれただけ良しとするよ」
 それ程にαという存在は絶対だ。複数の番を持つ事も、番を解消する事も。今まで番も妻も自分一人だったのだから。世のαに比べればカイザーは、まだ誠実な方なのだろう。
 元々、別の人が出来るなら解消して欲しいと言ったのは自分なのだ。文句は言うまい。
 解消した事で起こる弊害も甘んじて受け入れよう。

 「なぁ、だったら俺の番にならない?」
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