• テキストサイズ

ゲスが改心するって言ってるけど信じますか?

第1章 告白されましたが、信じますか?


練習の後、暇そうにしている女を呼び、色々発散して、家路に帰る通り。
 既に真夜中で、人通りも少なく、陰鬱とした危険な空気が、立ち篭める。そんな時間帯。
 普段通る道でも朝夜で見る景色が違って見えるから不思議だ。

 たとえば今通ってる先にある公園、遊具も少なくどこか寂れた雰囲気で普段から遊ぶ子供も少ない。朝のジョギング時によく通るが、夜だとより一層静かになるか、ガラの悪い連中の溜まり場になっている事が多い。
 公園の前に差し掛かると今日は静かな日らしい。とはいえ、あまり長居する場所でも無い、足早に去ろうとしたが、何かに誘われる様に公園の方に目を向ける。

 寂れた遊具の一つに腰掛け、キィキィと金属が軋む音を響かせながら、ぼんやりと足元を見ている女の姿。
 その姿に見覚えがあった。所属チームのマネージャーだ。

 真夜中に若い女が一人きり、声をかけるべきだろうが。何処か近寄り難い雰囲気に迷っていると、女は不意に顔を上げ此方に手を振ってきた。
「グーテンアーベント、ゲスナー。夜遊びかい?」「まぁな」
近寄り難いと思っていた空気が一瞬で和らぎ、内心ホッとして返答しそして質問を投げかける。
「アンタ、ここで何してるんだ?」
 
 「ん〜、家出、かなぁー?いや、立ち退き?いや、追い出された…訳でもないし、家出で良いのか。うん」

 マネージャーとは、仕事関係以外、あまり話さないが、皮肉な事にこいつの番とはチームメイトだ。
 普段から此奴を溺愛してるし、周りへの牽制も抜かりない。ので、こんな夜遅くに、しかも一人でいさせるとは、余程のことだ。

 「あの、チンカス。何やらかしたんだ?からかいのネタに聞かせろ」
 「下衆の極みだね。あんまり面白い話じゃないけど、いいよ。時間潰しに少し付き合ってね?」
少し困ったように笑って話す
/ 4ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp