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【天は赤い河のほとり】短編集

第2章 カイル:01│女神のいない大地で


【女神のいない大地で】ドリームside
カイル:恋人│1(2/2)/3P┃3500文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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カイルの宮に使えていた少年───『ティトが少女をおそった罪で処刑される』という事件が発生する。

話を聞いたわたしはいささか信じられずに、真偽を確めるために刑場へと急いだ。

(どういうこと?……ありえない)



広場について目にしたのは興奮している人々。そんな彼らはいくら止めてもなにを言っても聞きはしない。

なぜティトは事件を起こしたのか………『明るくて素直な少年だ』とティトを見る。

(この子が?なぜ?)



次の時に、一台の馬車がすごい早さで近づいて来たのを確認すると乗っていたのはカイルとキックリ、そして見知らぬ少女。

(あの子が───)

胸がツキンと痛んだ。


少女は正論を泣き叫んで、止めるカイルにも権力とはなにかを説く。

(あの子………)


彼女のおかげで場は騒然としたけれども、それによりティトが助かったのもまた事実だった。

いとも簡単にわたしにできなかったことをやってのけた少女。一連の流れを複雑な心境で遠巻きにただ見ていたわたし。

いたたまれなくてそっと場を去ろうとした時。


けれど………カイルに見つかってしまう。

(貴方は人混みにいるわたしでもすぐに見つけてくれるのね……)


馬車に同乗させてもらった帰り道がてらに自己紹介をして彼女が『ユーリ』という名前なのを知った。カイルがユーリを還そうとしていることも。

そして、長い夜が始まる。
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