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【天は赤い河のほとり】短編集

第5章 ラムセス:01│エジプト*恋物語


【エジプト*恋物語】ドリームside
ラムセス:恋人│1(21/2)/3P┃3300文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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「よう、ドリーム」

声に反応して顔を上げるといつの間にかラムセスがいた。勝手に入ってくるのも日常なこと。

「あれ、今日はもういいの?」

「会議が予定より早く終わったんだ。あー、疲れたぜ」

言いながら絨毯にドカッと横たわる。

「早く来てくれて嬉しいけど、まだご飯の支度始めてないよ?」

いつもラムセスが来るのは決まって夕方前後。今はまだ日が高く、午後のゆったりした時間だった。


「さすがにこんな時間から飯はないだろ………ん、いいからこっち」

呆れたような眼差しで手だけを動かして私を呼ぶ。

「なぁに?マッサージでもしてほしいの?」

トコトコと近づけば「違う」と伸ばされた腕に捕まった。そのままもつれるように倒れた私はラムセスの上。

「痛いーもうっ!」

パシッと軽く叩いたら、身体全部をいとも簡単にギューッと抱きしめられた。

「んー、落ち着く…」

「苦しいんですケド」

「おれの癒しの時間をジャマするな」

「わたしは抱き枕かー!」

「そうかもな…ん?」

なにかに気づいたようにわたしの髪に顔を埋めると、指で髪をもてあそび始めた。


「なぁ…なんで卵?」

「あっ…気になっちゃう?あー、お昼に卵を食べた時に、ちょっと…失敗しちゃって」

とっさの言い訳を「ふ~ん」と疑心暗鬼なように返すラムセスは「気をつけろよ」とわたしの頭に手を置いた。

(う、バレちゃったかな…)

ラムセスって妙に勘がいいから隠し事をしてもすぐバレちゃうんだよね。

でもまさか『イヤガラセされてる』なんて言ったら優しいラムセスは私のために離れて行っちゃうんじゃないかって───そんな気になるから………ホントのことなんて言えない。
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